フライ,ダディ,フライ(05年)

監督 成島出
主演 岡田准一、堤真一


金城一紀の同名小説が原作。
金城一紀といえば『GO』なわけだが、この『FLY,DADDY,FLY』をはじめとする、「ゾンビーズ」シリーズも有名。
オレはゾンビーズ第一弾の『レヴォリューション No.3』がお気に入りで、第二弾となる『FLY〜』も当然読んだ。
小説の話になってしまうけど、金城作品はホントにセリフがカッコイイ。沁みる。
金城作品が、映画化されてもいい作品になるのは、きっとそこらへんに要因があるんだと思う。

ストーリーは、冴えないおっさんが、娘を暴行した高校生に挑む。って感じ?
まぁその高校生が、ボクシングのインハイチャンプで、さてどうしようってなった時に、その近所のバカ高の愉快な男たちが、おっさんに手を貸すっていう。
バカ高の連中こそが、ゾンビーズなわけで。
その中でも、おっさんに「闘い方」を教えるのが、在日の朴舜臣。
こいつがカッコよすぎる。小説では手が付けられないほどのカッコよさだったため、映画化したらどうだろうと思っていたけど、そこは岡田君が好演。
おっさん役の堤真一も素晴らしかったし、ナイスキャスト!!ゾンビーズの他の連中がやや影が薄いのも、正解ではないかと。
しっかり「史上最低のヒキを持つ男」山下も描かれてたし、ええと思います。

金城作品と切っても切り離せないのが、「在日」という問題。
今回はそこまで大事なキーワードではなかったけれども、それでも舜臣が抱える痛みは、岡田君の表情とかから、読み取れたし、悲しくなった。
ま、それよりも今作では、おっさんの頑張りに拍手ッスね。素直に感動したよ。
娘を思う気持ちに打たれました。

それにしても相手の高校生役だった須藤元気は、『凶気の桜』といい、こんな役しかやらせてもらえなくてかわいそうやなー。
あといい味出してたのは、バスの乗客かなー。
ま、とにかく岡田君に尽きるでしょ、これは。

闘いに勝ったおっさん、素敵です。
「石原を締め落としたこの腕で、遥を思いっきり抱きしめてやるんだ。
そして、この素晴らしい世界に遥を連れ出してやるんだ。」
おっさん、カッコよすぎ・・・。泣かせんじゃねーよ・・・。

最後、おっさんは空を飛んだんだろうね、羽根が、見えたもん。


「恐怖の向こう側にあるものを見たくねぇのかよ。」


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