亀は意外と速く泳ぐ(05年)

監督 三木聡
主演 上野樹里、蒼井優、要潤


毎日を平凡に過ごしていた主婦が、ある日突然スパイになっちゃった。っていうお話。
夫が単身赴任で、亀と二人暮らしの主婦・片倉スズメ(上野樹里)は、亀に餌をあげるだけの単調でつまらない日々を送っていた。
そんな彼女がある日、ふいに「スパイ募集中」のポスター(5mm四方)を発見する。
スズメは思い切ってそのスパイとコンタクトをとる。そのスパイとは、見るからに普通の夫婦であった。
そのスパイ夫婦と出会ったことで、スズメの日常は非日常へと変わっていった。

なーんて書いてみたものの、まずスパイを募集している時点でなにやら不穏な空気を感じる。
観ていて最初から少しは感じていたのだが、スパイ夫婦と出会う辺りでオレの考えは確信に変わった。
そう、これは「バカ映画」なのだ。しかもだいぶ「ゆるい」感じの。
特別大きなギャグを飛ばすことは無いが、とにかく常に小ネタでチクチク攻めてくる。
しかもツッコミ無しのゆるーいネタの数々、頭が下がります。
90分間、肩の力を極限まで抜いて観られます。てゆーか常にニヤニヤしていること請け合い。

このバカ映画において特に存在感を発揮していたのは、スパイ夫婦。さっき普通の夫婦と書いちまったが、ゴメンやっぱり普通じゃねえや。
それは観れば分かる。笑いの八割はこの夫婦が持っていったから。
夫婦を演じたのは岩松了とふせえり。二人とも舞台出身の役者さんなだけあって、巧い。
ふせえりの「あずきパンダちゃ〜ん」は場内に爆笑の渦を生んだ。

あともう一人、要潤を忘れちゃいけない。こいつがホントに頑張った。イケメンなのに頑張った。
てゆーか体張りすぎ。前から結構好きだったが、コレ観たら更に好感持ったわ!お前カッコよすぎ!

まぁ全編笑い取りにいってるんで、ここは一つ流れに任せて笑ってみませんか?
なんとなく心に残り続ける、居心地のいい作品でした。

ラストに流れる『レミオロメン/南風』はただただ素晴らしい。しかもこの映画に合ってなさそうで、しっかり合ってる。
この映画、観れてよかった。そう思う。みんなもそうだろう、きっと。


「コーヒーもお茶も無いからお湯でいいだろ?」


邦画TOPに戻る
inserted by FC2 system