キッズ・リターン(96年)
監督 北野武
主演 金子賢、安藤政信
いかんなぁ、『座頭市』観て、これが邦画で一番いいって言ったばっかなんだけどなぁ。
北野武っていう人は、なんでこんなに凄いんだろう。
訂正はしませんが、これもよかった。
・・・もう「〜が一番いい」とか言わないようにしよう。
北野作品、音楽良すぎ。
なんか聴いてるだけで哀愁感じてしまう。
こりゃサントラ買わなきゃだな・・・。
そんくらいいい。
オープニングとエンディングは音楽だけでも震える。
そして北野監督は見せ方が巧い。
『Dolls』でも感じたことだけど、場面の切り替えが巧い。
だから観ていて少しずつ少しずつ、切なくなってしまう。
痛いほど素直な少年達が、少しずつ堕ちていってしまうから。
主演の安藤政信はこの時新人。
新人とは思えないほどの演技力ですけど。
北野映画でおなじみのメンツもこの時から出ていて、安定感あるわ。
高校時代、落ちこぼれだった二人の少年の人生が、ボクシングを始めたことによって動き出す。
その後一方はヤクザになり、もう一方はボクシングを続ける。
それぞれの世界に、希望を抱いて生きていく。
「オレが親分に、お前がチャンピオンになったらまた会おうぜ。」
挫折し、絶望を味わった二人が再会したとき、そこに暗さなんて無かった。
だって・・・。
映画史に残るラスト。
そうそう、まだ何も始まっちゃいない。
人生はこれからだっつーの。
「まだ始まっちゃいねーよ!」