ミリオンダラー・ベイビー(04年・米)

監督 クリント・イーストウッド
主演 クリント・イーストウッド、ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマン


ボクシングジムを経営する老トレーナーの元に転がり込んできた一人の女性、マギー(ヒラリー)。
彼女はウェイトレスをやり、客が残した食べ物をこっそり持って帰って食べるほどに貧乏な生活をしていた。
でも彼女の唯一の取り柄であり、楽しみだったのが、ボクシング。
彼女はボクシングでの成功を夢見て、働きながらも今までトレーニングだけは続けてきた。
そして、やっと理想のトレーナーを見つけたのだった。
老トレーナー・フランク(イーストウッド)は、まず女性ボクサーはとらない。ましてや30過ぎの女性なんて。
しかし彼女のひたむきな姿勢と、可能性にいつしか惹かれ、
「質問はするな」という条件だけを出し、彼女のトレーナーになった。

その後、マギーは順調に成長し、試合は連戦連勝。そして遂に、念願だったタイトル戦を迎えた。

一見するとただの成長物語。実際このタイトル戦を迎えるまでは本当にそんな内容だった。
でも王様のブランチで「ラスト30分が衝撃的」とか言ってたので、このままでは終わらないよなぁとか思っていたら・・。

生きてるってなんだろう、死ぬってなんだろう。
そんなことを考えながら、オレはラスト30分を過ごした。
泣きそうで、でも泣きたくなくて、我慢していた。
でも、マギーにフランクが名づけた愛称「モ・クシュラ」の意味、それを知った時、泣いた。
この二人は家族からの愛に飢えていた。
でも、最後にこの二人は本当の家族になった。きっとそうだ。
だからマギーはとても幸せだったんじゃないかな。
だって、すげーいい顔してたもん。

全編モーガン・フリーマンによるナレーションで進んでいく。
フリーマンの声はすごく暖かくて、この二人を見守ってくれているようで、抜群の存在感だったね。
実際ナレーションだけじゃなくて演技もしているんだけど、この人はヤバイ。目の動きだけでもヤバイ。
やっとアカデミー賞かぁ、遅すぎっしょ。もう一回『ショーシャンクの空に』を見たくなったわ。

ラストに関しては、賛否両論あるとは思うけど、オレはこれでよかったと思う。
オレがマギーだったら、オレがフランクだったら。
やっぱり考えさせられた。
でも、イーストウッドは考えさせる映画を作ってるわけだから、それでいいんだよな。
一生答えは出ないかもしれないけど、確かにオレの中に残った作品でした。


「いい人生だったって、そう思うんだ。」


海外映画TOPに戻る
inserted by FC2 system