恩人について


オレには音楽の分野(分野っつってもただ聴いてるだけだけど・・。)において三人の恩人がいる。
一人目は、ただの流行り物好きだがそれでも宇多田ヒカルの『First Love』を買ってきたり、いち早く我が家に「MD」という利器を持ち込んだ「父親」。
二人目は、オレに日本語ヒップホップを教えてくれた岡部の暴れん坊「八木」。
そして三人目は、まだ洋楽の世界に入ったばっかりで、右も左も分からなかったオレに数多くの知識を与えてくれた「小柳」こと「DJ HAGE」。
一人目の、今やオレのiPodに夢中の父親はまぁ置いといて、八木(以下ヤギ)と小柳(以下ハゲ)の存在なくして、今のオレは語れない。それくらいデカイ存在なのだ。

こいつらとの出会いは高校時代。ヤギとは一年の時から同じクラスだったのだが、当時の彼は「熊谷の不良オーラ」が体から滲み出ていたので、ぶっちゃけ絡めなかった。・・怖くて。
しかし二年でも同じクラスになると事態は急変。ヤギは実は不良ではなくお笑いだったのだ。気分はまさにワンピース36巻を読んだ直後みたいな「だまされた感」全開。
だがお笑いと分かれば話は早い。すぐさま意気投合(多分)。オレ達は仲良くなった(多分)。
なぜ多分かというと、当時オレらは常にディスり合ってたから。まぁ若気の至りって感じかな。
二学期最初の席替えでオレらは隣同士になった。そしてそれ以後年度修了まで席は変わらなかった。その影には、世界一席替えを面倒くさがる恩師中島教諭の存在があった。まぁいつか語ろう。
隣同士になると、必然的にずっと話していたわけだが、その頃から少しずつ音楽の話題も増えていた。
そして転機が訪れる。『凶気の桜』である。それを観てヒップホップに興味が出てきたオレに、ヤギはすかさずキングギドラを貸してくれた。
その後も様々なCDを貸してくれるようになった。時にはオレから貸したりも。
オレとヤギがヒップホップにはまっているの知って、凄まじい反応を示したのがハゲだった。なにしろこいつのヒップホップの知識はハンパない。
オヤジもすごい量のレコード(ほとんどジャズ)を持っているし、友人には本物のDJやMCもいるという最高の環境で育ったサラブレッドなのだ。
そんな彼からしたら、オレ達は見るに堪えない存在だったのだろう。次から次へ「本物」のヒップホップというものを教えてくれた。
彼の専門は「JAZZ HIP HOP」でTHE ROOTSやA.T.C.Q.なんかを教えてくれた。
でも、なにより彼がオレ達に教えてくれたことは、「リアクションはでかいに越したことはない」であり、「sonの発音はサンではなくソン」ってことだ。
サンキューDJ HAGE・・・。そしてDJ HAGEの名付け親ヤギもサンキュー。なんか親の山羊みたいになっちゃった。

ふと彼らと出会っていなければ、と考えた。
おそらくバイト代は服につぎ込み、大学生になってからはバイクを買い、車を買い、遊びまくって・・・結構悪くない・・・か?
いやいや、音楽無しの人生なんて考えらんないっすよ。NO MUSIC,NO LIFEっすよ。オレにとってはビームスよりタワレコが天国さ。


H・A・G・E。
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