パッチギ!(05年)

監督 井筒和幸
主演 塩谷瞬、高岡蒼佑、沢尻エリカ


人の映画を散々批評している井筒監督なわけですが(オレもか?)、最近は監督業よりタレント業のほうで有名になっちゃいましたね。
とかいってオレも実は今まで井筒監督の作品を観たことがありませんでした。つーわけで今作品が井筒作品初体験。
今作で取り上げているのは「在日問題」。1968年の京都が舞台。日本の高校生と朝鮮高校の生徒の対立や恋愛を描いています。
同じ問題を取り上げて有名な作品は『GO』ですが、あれは現在の在日問題。これはホントに在日問題が熱かった時代が描かれている。
と、テーマとしては重いんだけど、観終わった後すげーさわやかな気分になれたなぁ。それは出演してる役者にパワーがあり、作品にパワーがあり、やっぱりそれを作った監督にパワーがあるからか。
井筒さんすげーのかも・・・。

井筒作品の常か、上映時間の八割はケンカ、暴力シーンなわけだけど、そのシーンすらさわやかに見える。こんなポジティブなぶつかり合いは見たことねー。若いヤツが自分を知ってもらいたいから、殴りあう。熱くない?
もちろん考えさせられることも多い。終盤のあるシーンで、在日のおじさんが主人公にぶつける言葉。「お前は何を知ってるんだ?」今を生きてるオレにも痛すぎる言葉。
大体、「在日」って言ってる時点でおかしいもんな。でもこの作品をきっかけに考える人が増えるかもしれない。
あと、発売直後に発禁になった名曲『イムジン河』が作品中で非常に効果的に使われている。この曲の歌詞って、今までちゃんと聴いたことなかったけど、ホントに切ない歌だったんすね。鳥肌立っちゃったよ。あと少しで泣くところだったわ。
俳優陣では、朝高の生徒はみんないい味出てた。アンソン(高岡)はマジかっけーし、キョンジャ(沢尻)はかわいいし。そーいや高校のとき一部で人気あったよなぁ。そんときはなんも思わなかったんすけどね!
最後に「パッチギ」の意味。朝鮮語で「頭突き」。そしてもう一つの意味は、「突き破る、乗り越える」。かっけー。


「パッチギじゃ!」


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