スペーストラベラーズ(00年)

監督 本広克行
主演 金城武、深津絵里、渡辺謙


『踊る』シリーズの本広監督の作品。公開当時は結構話題になっていた気がするが、最近はすっかりこの作品のことを忘れていた。
確かすげー面白かった記憶があるので、久しぶりに観てみた。で、すげー面白かった。
てゆーか多分『踊る』を軽く越える面白さがあった。ホント面白かったんだって!

ストーリーは、金城武、安藤政信、池内博之の幼なじみ三人が、深津絵里らが働くコスモ銀行に強盗に入る。ところがアクシデントにより失敗しそうになるが、三人は人質を仲間にするアイディアを思いつく。
それぞれ事情を抱えた人質たちもやる気になり・・・みたいな感じ。まぁ現実にはありえないだろうけど、映画にリアルは求めてない自分にとっては楽しめました。

物語を盛り上げた要素の一つが架空のアニメーション『スペーストラベラーズ』。このアニメに出てくる九人の登場人物と、強盗+人質九人をそれぞれダブらせる設定がマジオレ好み。しかもこのアニメがよく出来てるんだわ。
なんかホントにアニメ化されちゃったらしいし。
他にも、本広作品らしい芸の細かさにはマジ楽しませてもらいました。笑いを取りにいく素振りを見せずに笑わせるのがズルイわ〜!
ガッツと大杉さんの密室でのやりとりもシュールで面白いっす。

でもやっぱり最後の方は切ない展開。それまでが楽しくて、平和で、とても強盗が入った銀行とは思えないほどの空間が作られていて、中にいる人たちも、強盗と人質には絶対に見えないくらいの関係が築き上げられたのに。
この落差がオレには辛かった。ずっとこのままでいてほしかった。
最後主人公たちが選んだ道。そっちにパラダイスはあるのかな・・・。

それにしても、この作品はエンターテインメントですわ。楽しませてくれました。邦画独特の終わり方も、結局はよかったし。
『踊る』ばっかに目が向けられているけど、多分・・こっちの方が・・うん。


「パラダイスに、行くんだ。」


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